不思議なモテ期　エピローグ

彼女は翌日、ズタズタの心を抱えて会社へ行った。仲の良い同僚に事情を話したところ、同僚も飲み会で彼女の酩酊ぶりを結構な頻度で見ていたことがわかった。隣の部署の課長でさえもその武勇伝を知っており、彼女の大技は実はけっこう有名であったことがわかった。

その瞬間はよりズタボロになった彼女だったが、逆に吹っ切れ、退社するころにはもうすっかり立ち直っていた。

そして、彼女のアカウントの更新が行われた。最新の画像は、画面の割れたスマホの写真。彼はこれを見て吹き出した。

「なかなかいいじゃん。センスあるな」

あの日公園で、割れたスマホを彼が撮った写真だった。

『このアカウントは乗っ取られました。見苦しい写真をお見せしてしまってすみません。あの写真はどうか忘れてください。なお、犯人はわかっています。今度はそっちの写真をばらまいてやるから覚悟しな

＃アカウント乗っ取り

＃犯人マジで許せん

＃写真をばらまかれたくなかったら

＃おとなしくしとけマジで

＃フォロワーのみなさんごめんなさい

＃パスワードは誰にも教えない

＃当たり前のことだけど』

終わり