シンクライアント構成について

まさか「シンクライアント」という言葉がテレビのニュースで流れる日が来るとは思いませんでした。

さて「シンクライアント」とは、システム構成の一つの形を指す言葉です。

通常のパソコンの中にはデータを置いて置けるハードディスクが設置されています。このディスクの中に、アプリや写真などのデータが入っていますが、それだけではなくアプリを使うためのOSやパソコン自体を動かすのに必要なデータも入っています。このディスクがないとパソコンは動かせません。タブレット、スマートフォンでも同じです。

シンクライアントとは、「Thin」(薄い)と「Client」(クライアント、顧客、依頼者)を合わせた言葉で、ざっくりいうとハードディスクを持たないパソコンのことです。

じゃあハードディスクはどこにあるのか? というと、ネットワークでつながっているサーバーにまとめて置いてあります。

そのため、パソコンを使うときはネットワークでつながっているサーバーからデータを読み込む必要があります。そうして初めてパソコンが使えます。

パソコンで例えば文書を作成したとして、保存ボタンを押したとします。すると文書はパソコンの中ではなくサーバーの中に保存されます。

こうした構成のシステムをシンクライアントと言います。

こうしたシンクライアント構成は、セキュリティやシステムの安全な運用という点でメリットがあります。

どこかにパソコンを置き忘れてきてしまったとしても、データはその中に入っていないので、拾った人に見られて情報漏えいしてしまうことを防ぐことができます。

パソコン内にマルウェアがまぎれていないかとか、古いバージョンで放置されていないかをチェックするのも、大量のパソコンをバラバラにチェックするのではなく一つのサーバーをチェックすればいいだけなので、運用が楽になります。

こういったシンクライアントシステムは、大企業など、「多くの人が」「それぞれ軽いデータを扱う」場合のシステムの場合に向いています。

シンクライアントシステムのデメリットは、たくさんの人がサーバーにアクセスするため、アクセス集中によるネットワーク負荷がかかることです。

大きな画像データや複雑な処理をたくさん使う職業には向いていません。セキュリティに強く、テキストによる書類作成がメイン、という職務には向いていそうですね。

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